第2回 精神科

常に太陽の光にあふれた明るい療養環境が特徴の精神科。精神疾患で救急の必要のある方、うつ病や気分障害などで療養の必要な方、総合病院の特性として身体合併症の方が療養されていて、平均在院日数は45日前後となっています。
施設面では、従来の病棟より広い空間がとられた3人部屋と静かな雰囲気の個室が用意され、その全てに個人用のテレビと冷蔵庫、金庫、ロッカーが備えられています。
また、県内で初めて設置された保護室ユニット『エラストピア』は、その患者さまに合わせた環境を作り出すことのできる、生活感にあふれる雰囲気を持つ個室です。
広いデイルーム、湯茶のサービス、運動を中心としたレクリエーションを楽しむことができる体育館など、ゆったりとした休養の場となるような環境を整えています。
鍵をかけられる患者さまの気持ちになって
保護室ユニット『エラストピア』は、床や壁にクッション性のある材質を使い、患者さまの安全を守るように作られています。ドアの仕切りも患者さまの病状の程度に合わせて変えることができ、部屋の音はナースステーションに聞こえるようになっていて、常に患者さまの状態を把握できるような構造になっています。
『エラストピア』は細やかな配慮がなされた、誇れる設備です。しかし、この部屋からは早く患者さまを開放してあげることが、私たちの役目です。
部屋を出る時、私たちは患者さまのいる部屋に鍵をかけなければなりません。その鍵をかける音に、患者さまがどのような気持ちになるかを忘れてはいけません。
新人ナースの戸惑い
新人ナースが戸惑うのは、患者さまにどう接していいか分からないからです。患者さまに怒鳴られることもあります。もしかしたら傷つけてしまうこともあるかもしれません。それでも、「とりあえずやってみよう」と指導します。できるだけ患者さまのところに足を運んで、日々話しかける。これは一般病棟でも同じことですね。
精神科において注意しなければならないのは、何気なくやっていることが、患者さまを傷つけてしまうこと。部屋に鍵をかける、時には拘束しなければならないこともあります。忘れてはいけないのは、人権を尊重することです。これをしたら、患者さまはどんな気持ちになるかを考え、細やかな配慮を忘れないことです。しかし、接することに戸惑う必要はありません。一般病棟でも精神科でも接しているのは同じ「人」です。
精神科を理解してほしい
精神科において戸惑いを感じるのは新人ナースばかりではありません。他科のスタッフやドクターにももっと精神科を理解してほしいと思っています。そのためにも、私たち精神科では病棟内研修会を行っています。
精神科緊急時の対応、身体拘束の手技と留意点、精神科概論、うつ病患者について、精神科における身体合併、救急対応、などの内容で月に2~3回開催しています。途中退室OK、飲み物持参で気軽に足を運んでもらい、精神科への偏見や戸惑いをなくしてほしい、もっと理解してもらいたいという思いで行っている研修会です。
病棟スタッフのこんなところがいいところ(病棟スタッフ自慢)
人の気持ちを理解するのは簡単ではないかもしれません。それでも、「1日で早く患者さまによくなってほしい」という思いを持ち、ぶつかっていくことが大切です。
当たり前のことを当たり前にできる看護。それを目指して私たち精神科スタッフは日々、奮闘しています。
病棟独自の勉強会がありましたら、内容を教えて下さい。
入職時オリエンテーション、事例検討を年に4回、病棟における自傷行為シンポジューム、精神科に多い身体合併症、せん妄の診断とチェック内容、精神科緊急時対応、などです。
多くの研修はオープン形式で、誰でも参加できる研修です。
今後病棟をどのようにしていきたいか・・・今後の展望などをお聞かせ下さい。
当院に精神科病棟ができて5年をむかえました。時代の流れに伴い、精神障害の多様化が進み柔軟な精神看護を展開しています。また、総合病院精神科病棟の役割として、精神障害者の身体合併症の受け入れが大きな役割の一つと考えます。
2年前より、精神科医師、心理士、精神保健福祉士、看護師でリエゾンチームを構成し、院内の精神障害者、精神面の相談や依頼に対応する活動を行っています。
患者さまに不利益がなくて、効果的に入院治療を行っていただくことにも、また精神領域以外の医療者が安心して、入院治療を行えることにも、リエゾンチームの活動は総合病院精神科病棟の重要な役割の一つだと考えています。





































