3.11東日本大震災 被災地救援活動に参加して

現在、亀田メディカルセンターには、1チーム5名のDMAT(災害派遣医療チーム)が2チームあり、ERでは3名が所属しています。今回被災地で救援活動を行った土屋ナースにお話をお伺いしました。

3月11日14:46 東日本大震災発生

地震が発生した直後は、夜勤明けで自宅にいました。EMIS(広域救急医療情報システム)よりDMATへ自宅待機令が出ました。その後、院長からは、房総地区、鴨川市、病院施設ともに身の安全が確保できたので、被災地を救援するようにと許可がおり、千葉県知事の出動要請待ちとなりました。その間に、現地の報道を知ると、とにかく現地へ行かなければ、という思いが込み上げてきました。

その後、往路の交通手段について自衛隊や県に対し申請をしましたが、実動までに時間がかかっている間に、病院側が動いてくれました。活動時間が72時間と決まっているため、ワゴンには3日分の食料と布団やガスコンロを準備し、ドクター2名、ナース1名、事務職1名、薬剤師1名の計5名で東北へ向かいました。

道中、茨城県に救援の必要がある、との情報が入り筑波メディカルセンターへ向かいました。筑波メディカルセンター周辺は被災が無く通常通りでしたが、入ってくる情報も錯綜する中、仙台市内が悲惨であるとの情報が入り福島原発の影響があるため、東北道を経由し、仙台医療センターへ向かいました。ビルが建ち並んでいる宮城野区は、停電はなく、車も走行しており、コンビニも営業をしていました。常磐道を境に、海岸側は壊滅で、まるで戦場のような状態でした。

仙台医療センターでの活動は、トリアージ(重症鑑定)、診療、沿岸付近の東北厚生年金病院や山側エリア避難場所の被災状況確認などでした。トリアージは傷病の緊急性・重症度に応じて4色に分類され、赤は最優先治療群(重症群)、黄は非緊急治療群(中等症群)、緑は軽処置群(軽症群)、黒は不処置群(死亡群)に分かれます。

21:00 出動要請発令

現場では、ドロに埋まって抜け出せなかった方や建物にしがみついたまま発見された方などが殆どで、トリアージタッグの色でいえば、黒や緑の方々でした。今回は、1995年の阪神・淡路大震災によく見られた建物崩壊による圧死が少なく津波による水死が圧倒的に多く、警察はじめ消防や自衛隊による救出活動が行われているため、救援を主とする私たちが積極的に踏み込めない状況がありました。

続いて、海側にある東北厚生年金病院に向かいました。 現場では、一番最初に救援活動に到着した病院が指揮をとるルールがあります。千葉県内では、当院が一番最初にDMATとして到着しましたが、東北地方ということもあり、距離が近い青森県の病院が先頭指揮をとっていました。避難所へ回り、被災した方たちの中には透析が欠かせない方、高血圧の方、妊婦の方もおりました。

被災者の方たちには安心してもらえるよう、困った事や心配事はないか声をかけ、被災者の方の話に耳を傾けました。緊迫した現場でしたが、千葉県のワッペンを見て「遠いところからありがとう」、「診てもらって安心したよ」と声をかけて下さり、このような状況下においても、私たちを気遣って下さったことが心に残っています。

気がかかりなのは、やはり被災した子供たちです。幼い子供たちには地震や津波に対する恐怖が心の傷となり、地震発生後2、3日でPTSD(心的外傷後ストレス障害) の症状が出はじめました。後にその記憶が様々なストレスとなり、地震や津波への恐怖や不安がフラッシュバックされ、不眠、嘔吐、頭痛などの症状が出ます。現地では、余震で地震警報が鳴るたびに子供たちが、パニックを起こし、泣き叫んでいました。早期に精神的ケアが必要である現実に、驚きました。冷静になって考えられる今では、これから長期に渡って被災者の方を治療される被災地の病院スタッフを休ませ、私たちのできることが今以上にあったのではないか、とも考えました。

今回、被災地では、家族の行方がわからない方々が多く、私たちも情報源が無い状況のもと、活動を致しました。唯一利用できるツールは、衛星電話と携帯・PCのインターネットのみでした。
これから関東で震災が起こる可能性が高いと言われています。明日かもしれません。
身の回りの防災グッズももちろんですが、万が一に備えて家族と避難場所を相談されることをお勧めします。
また、今後私たちの課題として、まず全職員にDMATを知って頂きたいです。
私たちは、いずれ被災者になる可能性があることを自覚し、病院全体で年に1度、災害訓練を実施できればと思います。地域の消防署と連携し、市民全体で災害ボランティア活動に取り組み、実現することを目標としたいと思います。個人的には、災害時の危機管理や精神的なケアの専門知識を身につけ、看護のスペシャリストを目指したいと思います。

活動写真一覧(↓画像をクリックすると拡大してご覧頂けます)

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